第4回定例会に小中学校のスクールカウンセラー配置を拡充する補正予算が提案され、まじま隆英議員は、本会議で直接質疑しました。
学校現場ではコロナ禍でストレスや不安を感じている児童生徒が多数存在することを確認した上で、まじま議員は「スクールカウンセラーへの相談件数の推移、相談内容、不登校となっている児童生徒数」を問うと、学校教育部長は「相談件数は令和元年度2422件、令和2年度が3586件と増え、不登校の相談は1510件と4割を超えている。令和2年度430人が不登校になっている」と答弁しました。
まじま議員は「新型コロナの影響もあると思われるが、新型コロナをきっかけにこれまで学校現場が抱えている問題が顕在化したのではないか。スクールカウンセラーの拡充は重要。あわせて教員の増員や少人数学級の独自の取り組みなど学校現場の改善が必要ではないか」とただしました。
学校教育部長は「市費負担の教員の確保に努め、独自の少人数学級編成を実施するなど、子どもたちの心と健康を守り、1人1人に寄り添った、きめ細やかな教育を推進してまいりたい」と答弁しました。
議会報告
まじま 隆英 議員の質疑
給付型奨学金制度拡充へ
まじま隆英議員は、令和2年度の決算審査特別委員会で、旭川市の『高校1年生を対象とした』返還義務のない給付型奨学金について質疑しました。
まじま議員は実績が見込み件数を下回っていることを指摘し、「どのように分析をしているのか」と質疑しました。
子育て支援部は「対象となる収入階層の世帯の中で対象外となる方がでないように余裕を持った見込み件数にした」としながらも「市民のみなさんへの認知度がまだ高くない」と答弁しました。
旭川市は申請者にアンケート調査を実施しています。この奨学金の使い道が通学費、修学旅行費、教材費などが上位を占めていることから教育を受けるのにお金がかかり過ぎる現実が垣間見えます。
まじま議員は給付型奨学金の財源である育英事業基金に一定の余裕があることから、「今後の方向性について」ただしました。
子育て支援部は「学年の拡充、支給額の上乗せ、所得要件の緩和など考えられるが、様々な意見をいただきながら、制度拡充を進めていく」と答弁しました。
日本共産党旭川市議団が求めてきた旭川市の給付型奨学金は他の奨学金とは違い、成績要件がありません。この部分も大きな特徴です。
小松 あきら 議員の質疑
上下水道減免廃止で負担が2・3倍はダメ
小松議員は一般質問で上下水道の減免制度廃止について質問。水道局では来年度から、水道料金の15%値上げと生活保護世帯と独居高齢者世帯に対する減免制度を廃止するとしています。
水道料金の見直しは1992年以来のもので施設も老朽化していることからやむを得ない側面があります。一方、減免制度の見直しは生活支援などを目的とするもので次元が違います。減免制度が全廃されると生活保護世帯は料金値上げと合わせ2・3倍の引き上げとなり、独居高齢者も大きな負担増となります。
小松議員が「乱暴な提案だ」「今年まで、必要な制度としてきたではないか」と追及。水道事業管理者は見直しの経緯を述べながらも、「整理すべき課題があり、寄せられた市民意見も踏まえ慎重に検討したい」と述べました。
また、小松議員が「減免した相当額が一般会計から補てんされている」として、今津市長の見解をただしました。市長は「市民から寄せられた多くの声や議会での議論を踏まえ、関係部局でよく協議し、総合的に判断することが重要と考えている」と答弁しました。減免制度見直しに対して市民などから一二五件の反対意見があり、賛成はわずか四件でした。
石川 厚子 議員の大綱質疑
排除雪の課題解決を
昨年度の除排雪費は約35億円に膨らみました。石川厚子議員は、大綱質疑で除排雪の課題を取り上げました。
雪対策基本計画では、15㎝の降雪が見込まれるときは圧雪路面管理、生活道路の雪の厚さ30㎝を維持し、道路幅が確保できなくなった場合は排雪を行うとなっていますが、それでは市民要望に対応しきれていません。深夜から明け方にかけて10㎝ずつ3日間降り続けば、圧雪出動の基準内だとしても市民生活に影響を及ぼすことになります。
こうした基本計画における課題の他に、公共工事設計労務単価の上昇による除排雪費用の増大、燃料費の高騰といった財政的な課題、堆積場の問題、除雪を実施する企業数の減少やオペレーターの高齢化という課題もあります。
これらの課題にどのように向き合うのか質したところ、赤岡副市長は「現在、雪対策審議会において、雪対策基本計画の中間見直しを行っており、除排雪事業を取り巻く情勢や気象状況の変化など課題解決に向け議論をしている。今後も、市民、企業、行政が、それぞれの役割や課題認識を共有しながら、知恵を出し合い創意工夫をして、しっかりと議論し、一つひとつ課題を解決していくことが重要である」と答弁しました。
議会無視、法律無視で船出:今津市政、前途多難
今津寛介市長は、議会を無視し、補正予算案を事前に経済界に漏らし、10月28日の本会議で陳謝しました。
本来は、議会に説明し、マスコミ等に公式発表、本会議に提案の流れですが、事前に詳細が報道されました。
初議会で市長自らが議会を無視するのは、前代未聞の事態です。
また、市長は28日の代表質問に対し、「いじめがあったと認識し、第三者委員会の委員長と会い、その意向を伝えた」「第三者委員会の人選」「遺族側と第三者委員会との調整役になる」などと答弁しました。
本来、教育委員会は独立した行政機関であり、市長が教育に政治介入することは許されていません。いじめの真相解明は教育委員会が委嘱した第三者委員会が調査中であり、その内容に介入することはできません。
これらのことは、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」に、教育委員会は首長から独立した行政委員会として、中立公正であること、個人的な価値判断や特定の党派的影響力から中立性を確保することが必要と定められています。「教育基本法」では、政治や行政による介入を禁止しています。
29日の日本共産党の代表質問では、これらの行為をどのような法的根拠でしているのか聞きましたが、市長は「明確な法的根拠に基づくものではないが、市長として行動すべきと考えた」と答弁し、法的根拠がない中での越権行為、政治介入が明確になりました。
今津市政は、議会無視、法律無視で前途多難な船出となりました。
日本共産党提案の意見書可決:沖縄戦没者の遺骨を埋め立てに使用しない
沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」から要請のあった「沖縄戦戦没者の遺骨等を含む土砂を埋立てに使用しないことを求める意見書」が、共産党と民主会派の共同提案により全会一致で可決しました。
この意見書は「悲惨な沖縄戦の戦没者の遺骨等を含む土砂を埋立てに使用しないこと」を求め、「日本で唯一、住民を巻き込んだ苛烈な地上戦があった沖縄の事情に鑑み『戦没者の遺骨収集の推進に関する法律』に基づき、日本政府が主体となって戦没者の遺骨収集を実施すること」を求めました。
「ゆきとどいた教育をすすめる北海道連絡会」から要請があり、共産党が提案した「特別支援学級の学級編成標準の改善を求める意見書」は全会一致で、同じく「大学生等への給付型奨学金制度の拡充を求める意見書」は自民派と公明党が反対しましたが、賛成多数で可決しました。
また、「日本国民救援会旭川支部」から要請があり、共産党が提案した「再審制度の見直しを求める意見書」は、えん罪被害者の一刻も早い救済のために、「再審における検察官の手持ち証拠を全面開示し、再審開始決定に対する検察官による不服申し立てに一定の条件を付けること」を求めるもので、自民と公明が反対しましたが、賛成多数で可決しました。