旭川市の新年度予算は、一般会計と特別会計も合わせて7年ぶりの減となり厳しい予算編成となりました。一方、市民の運動と党の論戦が実り、子ども医療費や無料低額診療薬代の助成、就学助成制度などが拡充しました。
2016年度旭川市の予算は、一般会計1,571億円、特別会計も合わせて2,829億円で、昨年比0.6%減、約17億7千万円の減となり、7年ぶりに減少になりました。19億円の収支不足となり、財政調整基金13億円をとり崩すことになりました。地方創生が言われる中、地方自治体には大変厳しい内容です。
一方で、旭川市は市総合庁舎の建設、買物公園整備、空港整備、運動公園、公立大学など課題が山積。
日本共産党市議団は、今後の財政見通しをつけること、大型事業の優先順位を定めることが重要な課題と指摘しています。
党市議団が昨年12月に行った予算要望の重点項目については、以下の通りとなっています。
◆子ども医療費は拡充
子ども医療費助成については、8月から初診時一部負担金助成の復活と入院医療費を中学卒業まで1割負担(非課税世帯は無料)に拡充する予算案です。子育て支援の充実を求める会の1万筆の署名運動が力になり、市民の運動と党の論戦が実る結果となりました。
◆国民健康保険料
国民健康保険は、モデル世帯では昨年比150円の減となり、現状維持となりました。しかし、国が負荷限度額を2年連続4万円引き上げたこともあり、所得や世帯構成によっては高くなる世帯があります。
上の表にある通り、道内主要10都市の中で、夫婦と子供で所得200万円のモデル世帯では、2010年度は旭川市が1番高かった保険料が、5年連続の引き下げで、今年度は上から7番目まで下げています。
党市議団は子育て世帯や高齢者世帯の軽減を提案してきましたが、今後も具体的な財源も示しながら保険料軽減に努めていきます。
◆無料低額診療薬代
無料低額診療の院外薬局での薬代の助成は、旭川市では全国2番目に取り組みを開始しました。助成期間は、当初2週間から開始し、現在3か月間となっていますが、。新年度から6か月に拡大する予定です。
◆就学助成の拡充
就学助成については、生活保護基準の引き下げに連動して対象世帯が狭くなる心配がありましたが、新年度から生活保護基準の1.28倍に拡充し、影響が出ないようになります。
また、新たに「生徒会費」を助成費目に追加することになりました。PTA会費は既に追加になっていますので、今後はクラブ活動費の助成拡充が焦点になります。
◆住宅リフォーム助成
新年度は、住宅リフォーム助成が2千万円に減額され、やさしさ住宅も3千600万円に減額されました。一方、新たに雪対策補助金2千万が新設され、年齢制限がないことや、住宅リフォームとしても活用できる利点もあります。
しかし、これらを合わせても合計2400万円の大幅減であり、市民ニーズと中小企業対策を合わせて、大幅な増額修正が求められています。