3月24日第1回定例市議会が閉会しました。旭川市の2021年度予算は可決しました。新型コロナウイルス感染症対策や市民のくらしや福祉、地域経済に資するものですが、ICTパーク運営費に問題があるため、日本共産党は一般会計予算に反対しました。
また、市長公約である旭川大学の公立化は全会一致で可決しました。
党と市民の要望実る
日本共産党が要望していた新型コロナ対策の拡充について、高齢者施設の検査体制と市内医療機関の発熱外来は4月以降も延長することが実現しています。また雪対策の抜本的な強化については、新年度に基本計画の見直しや担当部長を配置し体制強化をはかること、さらに子育て支援では乳幼児10カ月健診を新たに開始することなどが実現しています。
国保、世帯平均は引下げ
国民健康保険料は、前年度と比較して1世帯当たりの保険料では1,970円引下げ、子育て世帯のモデルケースでは1,700円の引下げとなっています。一方で、70歳の単身で年金収入が200万円の世帯では2,400円の引上げの見込みです。
介護保険料は据え置き
2021年度から3年間の第8期の介護保険料は、基金を取り崩し、前期と同じ保険料に据え置きとなりました。
ごみ処分場に懸念
清掃工場の再延命化に伴い、次期の一般廃棄物処分場の建設、次期の産業廃棄物処分場の計画などにも影響。
巨額の資金が必要となるため、財政運営上の見通しや計画を十分に練る必要があります。
5Gのためであり、NTT先にありき:ICTパークは反対
ICTパークは当初、eスポーツやプログラミングなどを学ぶ機会、子どもたちの居場所づくりと言われていました。
しかし、2020年度当初の事業費は見込み違いであり、毎年2千万円のリース料を5年間払い続け、合計1億円の新たな負担が明らかになりました。
共産党の追及に、市長が「見込みどおりの収益が確保できるか、現時点で明確にお答え出来ない」と述べ、財政的な見通しがないことが明らかになりました。
財政的な見通しがないまま走ったのは、この事業が総務省のローカル5Gの開発実証に、NTT東日本が手を上げるのに間に合うように進めたことに主な要因があります。結果としてNTT東日本は国から1億2千9百万円の委託を獲得。
ローカル5Gのためであり、NTT先にありきであり、日本共産党はICTパーク運営費に反対しました。
共産党提出の意見書可決:気候変動対策など全会一致
共産党が提案した「2030年度の温室効果ガス排出量の削減目標を引き上げ、気候変動対策を強化することを求める意見書」は、全会一致で可決しました。
同じく共産党が提案した「選択的夫婦別姓制度の法制化を求める意見書」は、自民会派が反対しましたが、それ以外の賛成で可決しました。
また、「後期高齢者の医療費窓口負担1割の継続を求める意見書」と全日本国立医療労働組合の要請に応えて共産党が提案した「国立病院の機能強化を求める意見書」は、自民会派と公明党が反対しましたが、賛成多数で可決しました。
民主会派とともに提案した「家庭用品に含まれる香料による健康被害の実態解明等を求める意見書」も全会一致で可決しました。